私はドライブ旅行が好きで、知らない道を走るのが趣味だとよく言っているくらい。
Googleマップがたまに“酷路”を案内しちゃってくれるのも、実は大歓迎。
どこに連れていかれるか分からないワクワク感は、私の好奇心を存分に満たして、日常の閉塞感を吹き飛ばしてくれます。
近隣の知らない道はもうほとんどないので、最近は、時間に余裕がある時だけの“遊び方”になってきましたが。
でも、そんな私の“知らない道を楽しむ”旅で、ちょっとした大事件がありました。
白神山地の奥の奥

ある夏の時期、青森、秋田の県境にある白神山地を車で旅していたときのこと。
国立公園へのナビに従って進んでいくと、細道に案内されます。
車両通行止めの看板は誰かに退かされた感じだけど、ナビも行けと言ってるし大丈夫だろう。
だんだんと狭くなっていく道を、そのまま進みます。
もうUターンなんてできないくらいの狭さで、横の崖先には綺麗な川が流れています。
ここら辺でGoogleマップに騙されてるかも、、、と脳裏に浮かびますが、もう引き返せない状態。
しばらく(3kくらいかな)行くと、突然前方が開けます。
しかし、目の前には幅2mほどの川が。
その川を渡った先に見えるのは、国立公園の看板。
もう、Uターンできない状況でちょっとパニック状態でしたね。
これは「行くしかない」と愛車ハイエースと川に突っ込みました。
案の定。
車の底からガリッという嫌な音。。。
それでも、国立公園についたので、外に出て車を確認しようと思ったら。
今度はアブの大群に襲われます。

踏んだり蹴ったり、観光するなんてもってのほか。
車の中に逃げ込んで、もう帰ろうと車を動かし始めると、
今度は何かを引きずる音が。。。
でも、アブが大量だし、でも車が止まったら、この山奥で携帯は繋がらないしと軽いパニック状態に陥ります。
それでもなんとか、車を騙し騙しで山を下りました。
そして、車を確認するとバンパーは壊れ、アクセルを踏み込むと今にもエンストしそうな感じ。
見たことのないランプも煌々と光っています。
しかも、その日はお盆時期の連休中で修理工場はどこもお休み。
そこで私は意を決します。
その後の予定は全てキャンセル。
今ハイエースの出る最高速度時速40キロ。
このまま、ノロノロと、まるまる二日かけて青森から埼玉までの約700kmを走破しました。
当時は焦りと孤独感、そして「なんとかしなきゃ!」という必死さだけが頭を支配していました。
「頼る」という選択肢を思い出す

後日、保険会社に連絡したら、
「その場でご連絡いただければ、宿泊や車両運搬も手配できましたよ」と言われてびっくり。
「あの時、なぜ頼ることを思いつかなかったんだろう?」
私、頼れるはずのものに全然頼らなかったんだな…って、すごく考えさせられました。
あの時は「自分でなんとかするしかない!」って思い込んでいて、自分で修理工場を探さなきゃとか、お休みなら自力でなんとかするしかないって、その他の誰かに頼ろうとすらしてなかったんです。
心理学で言えば、こういう時に自分ならなんとかできる!って思う「自己効力感」っていう考え方が関わってきますよね。
その力は大事なんだけど、頼れるものを忘れちゃうのはちょっと危ないなって。
それに、「正常性バイアス」の、非常事態なのに「きっと大丈夫」って思い込む心のクセが出ちゃったんでしょうね。
まさに私、そうだったなぁ。
自分で何とかしようとする強さは大事だけど、それが視野を狭くし、選択肢を減らしてしまうこともあるんだと気づかされました。
“頼る力”と冒険心のバランス
心理学では、人は好奇心や自己実現といった「内発的動機づけ」に突き動かされると言われています。私の“知らない道を走りたい”という冒険心もその一つ。
でも、困難にぶつかった時に、強すぎる自己効力感や正常性バイアスが、あの時の私の選択を狭めました。
“頼る”という選択肢を持つことは、ストレス対処やレジリエンス(回復力)を高める大切な力です。
支援者として考えても、「自分でやる」ことと「誰かに頼る」こと、両方のバランスが大切だと日々感じています。
支援する側も、される側も、頼ることで新しい選択肢や安心感が生まれる――
それは、旅でも日常でも同じですね。

旅の装備と“頼る工夫”
今となっては「白神山地もうちょっとで大事件」として笑い話になりましたが、この経験から、「万が一のための車中泊グッズ」や「ロードサービス付き保険」など、頼れるアイテムを備えておくことの大切さも実感しました。
私自身、旅の装備を選ぶときは「自分でなんとかする力」と「必要な時に頼れる安心感」、両方を大事にしています。
特に夏の時期の車中泊は対策なしではほぼ無理です。
グッズは色々あって見るだけでも楽しいですし、Jockeryのポータブル電源は持ち運びもできるし、お日様で充電も。
防災の時にも役立つので、我が家の頼れる安心ツールとなっています。

あなたにとって「頼る」とは?
「自分でやり切る」ことも、「誰かに頼る」ことも、どちらも大切。
皆さんは「頼る」ことに、どんなイメージを持っていますか?
旅も人生も、バランスを取りながら進んでいけたらいいな――
そんな思いを込めて、今日のブログを締めくくろうと思います。
最後まで読んでくださって、ありがとうございました。
皆さんの旅や日常にも、ちょっとした“頼る工夫”が加わりますように。
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