「ねぇ、聞いてる?」が増えてません?
昔はもっと、言葉にして伝え合っていたはずなんです。
「好きだよ」「大事に思ってる」「愛してるよ」

そんな言葉が当たり前に交わされていた頃が、どこかにあったのに。
時が経つにつれて、聞こえてくる言葉が変わっていきました。
「私の話、ちゃんと聞いてる?」
「あれ?今なんか言った?」
…悲しいけれど、思い当たること、ありませんか?
好きだから一緒にいたはずなのに。
気づけば、“ちゃんと向き合っていない”時間が増えている。
近くなった分、甘えが生まれる
長く一緒にいると、言葉は省略されていきます。
「言わなくても、わかるでしょ?」
「そのくらい察してくれるよね」
——そういう、“甘え”が、無意識に生まれます。
本当は聞こえていても、ちゃんと聴いていない。
本当はわかっていないのに、「わかってるつもり」でいる。
そんなふうに、心は少しずつズレていく。
でも、話しかけた方は、ちゃんと気づいているんです。
だから、「聞いてる?」って問いかける。
それは責めに聞こえるかもしれないけれど、責めじゃない。
「私はここにいるよ」「私を見てほしいよ」という、小さなSOSなのです。
でも返ってくるのは、
「あれ?今なんか言った?」なんて、無関心な返事だったりする。
そんなとき、どこか心に虚しさが残りますよね。
親しいほど、ちゃんと聴かなくなる矛盾。
心理学者ニコラス・エプリーは、著書『人の心は読めるか?』で、こう言っています。
「親しい関係ほど、“わかっているつもり”になりやすく、実際には誤解が最も起きやすい」
わざわざ確認しない。
ちゃんと聴かない。
そんな日々が続くうちに、「聞いてる?」という言葉がぽろっと出てしまう。
パートナー間で「愛してる」の次によく聞く言葉が「聞いてる?」とも言われるくらい。
誤解が生まれやすいのは、遠い関係よりも、むしろ近い関係なのです。
“聴き切る”には、好奇心が必要

相手が何を言っているのか理解することは、そんなに難しくありません。
“なぜ今それを話すのか”
“どんな気持ちを抱えて話しているのか”
その言葉の奥に耳を傾けるには、「もっと知りたい」という好奇心があればいい。
何度も聞いたエピソードでも、今日、今、話すには理由がある。
その小さな違いに気づけることが、「ちゃんと聴く」ということ。
でもそれは、表面的に理解する以上に、心のエネルギーがいることです。
犬・篤(あつ)が教えてくれること。
私のパートナー犬、篤(あつ)は、ミニチュアシュナウザーの女の子。
クールに見えて、とても健気。
ストレートに「アタチはあなたが大好き」と目で伝えてくる。
私がスマホを見ていると、
「無視されてる?」って顔でこちらをじっと見つめてる。
それでも気づかずにいると、体ごとこちらに寄ってきて、前足でトントン。
しっかりアピールしてくる。
犬でも分かるんです。
ちゃんと“見てるか”“聴いてるか”は、行動で伝わってしまう。
コミュニケーションが伝わりやすい人間同士なら、なおさらですよね。
「聞いてる?」は、繋がり直したいサイン
「聞いてる?」は責めじゃありません。
「ちゃんと私と向き合ってほしい」というサイン。
そして、どこかで置き去りにされかけている、心の静かな訴えです。
なので、「聞いてる?」と言っても聞いてくれない人には、
「話を聞いてくれないのは寂しい」と心の本音を伝えることも大切。
そして、相手の話も好奇心を持って聴き切ってみる。
寂しいと思う関係が長く続くほど、ズレは積もっていきます。
けれど、たった「聴く」という小さな好奇心で、また手をつなぎ直せる。

「好き」「大切に思ってる」
そんな言葉は、もしかしたらもう一度、そこから生まれてくるのかもしれません。
おわりに
ちゃんと聴いてもらえている、と思えるだけで、人は安心できます。
「わかってるはず」という思い込みの先には、すれ違いがあるもの。
もう一度、「聴く」という行動を丁寧に拾い直してみませんか。
それは静かだけど、確かな愛情表現。
そして今日も、篤は私にこう言ってくれています。
「アタチ、今日もあなたをちゃんと見てたよ。アタチは、あなたがずっと好きよ。」

【参考文献】
安心感と引き換えに、“聴かなくてもいい”というクセが、知らず知らずに育っていってしまう現象など、心の本音について詳しく書かれたオススメ良本です。











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